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2・55図 弁シートの修正要領

 

仕上げは潤滑油で油摺りをして終る。最後に青ペン又は光明丹をうすく弁シート面に塗布して強く弁座へ叩きつけ弁座シート面へ転写した青ペン又は光明円の付着状態により、当りの点検をする。2・56図にその一例を示す。なお弁の摺り合せは機関の使用時間や負荷の程度、燃焼状況、燃料中の硫黄分の多少により変るが定期的に年1回程度実施することが望ましい。

 

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2・56図 弁座の当り

 

2)弁案内
(1)構造と機能
弁案内は吸排気弁シートの着座位置が変らないよう位置決めすると共に、弁からの熱を放出する役目をしている。
弁棒と弁案内の間隙が大きすぎると着座位置が定まらず弁座の密着が不完全になる。排気弁の場合間隙が広すぎると燃焼ガスがこの隙間を通って漏出したり、弁案内への伝熱が悪くなり、弁が過熱したりする。吸気弁の場合には間隙から潤滑油が吸気中に吸い込まれ消費量が増加する等の障害が生ずる。これを防止するため2・57図に示すようなバルブステムシールが取付られている。一般に隙間を通っての漏気量は隙間の3乗に比例し、長さに逆比例するので、摩耗等が漏気量の増加に及ぼす影響は非常に大きくなる。反対に間隙が小さい場合、冷却は良好になるが熱変形による焼付の危険があり、常に適当な間隙を保持しなければならない。また最近では弁案内内面にねじ加工を行い耐摩耗性の向上と弁の焼付を防止しているものもある。

 

 

 

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